それはやらない

今から五年ぐらい前だろうか

 

 

二人組みのお客さんが入ってきた。

 

見覚えがある。

 

 

リニューアルする前も来ていた。

 

 

まぁ、以前のように水餃子だの

 

麻婆豆腐が食べたかったんだろう。

 

 

メニューにぶつくさ言った後

 

 

焼酎のボトルを頼んだ。

 

それに氷だ。

 

 

 

ここからは

 

営業終了後に聞いた話だが。

 

 

「船橋はねぇ・・水が美味しくない」

 

「この氷もねえ、ロックアイスにして」

 

「砕きながら

 

提供したほうが美味いんだよ」

 

 

と色々と店について

 

語って言ったらしい。

 

 

船橋で店を構える店主二人組みだ。

 

 

 

 

もう一組別の話。

 

 

こちらはカップルで

 

リニューアルする前から来ていた。

 

 

男性は背がすらっと高く

 

彼女も気品があり美人だった。

 

 

男性は帽子を目深にかぶり静かに

 

その当時ランチで提供していた

 

火鍋つけ麺を食べていた。

 

 

火鍋屋にリニューアルしてからも

 

あの当時たいして

 

美味くなかった火鍋を食べる。

 

 

二人で黙々と食べる。

 

 

 

最後に

 

 

「ごちそうさまでした」

 

 

と言って帰っていくのだった。

 

毎回だ。

 

 

この背の高い男性は後に

 

その彼女と結婚した。

 

 

今では女の子も生まれた。

 

彼女は元ANAのスチュワーデス。

 

 

そうこの男性の名前は黒川裕二さん。

 

 

その当時黒川さんは

 

30代後半だったのではなかろうか。

 

 

 今や船橋にラーメンBAR963本店

 

URA963、MAE963と

 

3店舗を

 

構えるまでになったオーナーだ。

 

 

俺は、やはり伸びる人の

 

立ち振る舞いが違うものだな

 

と思ったものだった。

 

 

ところで暇な頃にきて

 

能書きたれてた二人組み。

 

 

今でも 船橋で店をやってる。

 

 

人気があるとは耳にした事はない。