赤いリユックサック

5年前に

 

火鍋屋になってみたのはいいが

 

鳴かず飛ばず・・・

 

 

正月が来ても気持ちは晴れず

 

どうやって資金繰りするか

 

毎日考えていた頃

 

 

直子が赤いリュックサックを

 

買ってきた。

 

 

780円だか

 

980円だかの赤いやつを。

 

 

俺は

 

「なんで赤いリュックなんだ?」

 

 

すると直子は

 

 

 

「赤はね。気持ちが高揚するのよ」

 

 

俺は今までの人生で

 

赤のリュックなんて

 

持ったことがなかったので

 

ブツブツいった覚えがある。

 

 

 

基本的に好きな色は黒だったからだ。

 

 

 

今考えれば毎日毎日塞ぎこむ

 

俺を見て

 

少しでも元気付ける

 

つもりだったに違いない。

 

 

初めは気恥ずかしくて

 

嫌だったのだが

 

そのうちに慣れてきた。

 

 

暗示に掛かったのか

 

それとも赤いバックを

 

背中に背負って

 

毎日仕事場に行ったせいなのか・・

 

色々と変化があった。

 

 

流れと言うか

 

気持ちというか

 

上手くいえないんだが・・

 

 

 

今じゃ三代目の赤いリュックサックだ。

 

 

 

もしかしたら赤には

 

不思議な力があるかもしれない。