不甲斐ない

94歳になる祖母に大相撲を

 

見せたいと密かに思っていた。

 

升席に招待しようと。

 


飲食の道に入ってから

 

親孝行の類はした事がなかった。

 


しようにも店を何とかしなければ・・

 

と言う思いだった。

 


お金ができれば何か買ってあげれる。

 

食事にも招待できる。

 


いま会いに行っても

 

何もしてあげられない。と。


 

 

飲食の道に入って20年

 

少し余裕ができたので


升席に招待しようと思って電話した。

 


すでに祖母は耳がほとんど聞こえない。


「気持ちうれしいよ。」

 

「でも・・


オバーちゃんは足と腰が痛くてね」

 

「テレビで見てるよ。」

 

「うん・・嬉しいよ」


と言って電話を切った。

 


電話の遠くで叔母さんと会話してた。

 


「ありがたいねぇ・・」

 

 

って言ってるのが聞こえた。

 


凄く我慢強い人で

 

病院で寝たきりになった時

 

必死にリハビリして

 

歩けるようになった祖母。

 


そんな祖母が弱弱しく


「足が痛いんだよ・・」

 


なんだか電話口で泣きそうになった。

 


凄く悔やんだ。

 


もっともっと死ぬ気で努力してれば


祖母が元気で歩けるうちに

 

相撲見せれたのに・・


あと二年早ければ。

 

 

腹が立った。

 

自分自身の不甲斐なさに。