【第73話】たまには思いで話でも

色々な人の縁をもらい

 

火鍋屋として店が回り始めた。


 

気がつくと店には

 

お客さんの笑い声と


チャビママの元気な接客


いい感じになり始めた。


 

滞納していた税金

 

滞納していた支払い

 

滞納していた保険料


頭を下げて分割にしてもらい

 

払うめどもつき始めた。



店は順調に行き始めたが

 

俺は身体の変化を感じていた。

 


週に何回も強烈な

 

頭痛に悩まされ始めた。


 

朝起きて店に行くと

 

頭痛がはじまり


昼ごろになると我慢が

 

出来ないほどだった。


 

バファリンが

 

手放せなくなっていた。


 

体調が思わしくないと

 

感じていたが


店は休まなかった。

 


なぜなら休むとお客さんが

 

来なくなりそうで

 

怖かったからだ。

 


しばらくすると頭の左半分が

 

いつも張っている感じになった。


 

左だけ歯がうずいた。

 


歯医者に行っても

 

原因がいまひとつ判らなかった。

 


店にお客さんが

 

来てくれるようになって


激しいプレッシャーを感じ始めた。

 


深夜にひどい


歯ぎしりが始まった。

 


歯医者さんの勧めで

 

マウスピースを作ってもらった。


 

なぜならプレッシャーから

 

来るのか歯軋りがひどく

 

歯が磨耗していたからだ。

 


そんなこんなでも

 

営業になると

 

張り切って店に出ていた。

 


そして一月だったか

 

二月だったかの営業中

 

背中に脂汗をかいた。

 


首筋から頭にかけて

 

ざわざわする感じがした。

 

 


店は貸切の満席。

 


我慢しながらドリンクを

 

出していたが


耐えられなくなり

 

トイレに駆け込んだ。

 


今まで感じた事の

 

無いような悪寒がした。

 

 

そして目の前がかすみ

 

トイレで座り込んだ。

 


意識が朦朧としていたが

 

お会計が始まったのがわかった。

 

 


遠く北海道から

 

来ていたお客さんもいたので

 


「挨拶しなくては・・」

 

と心で思ったのだが


どうしても立ち上がれない。

 

 

身体が動かなかった。


時間にして30分トイレから

 

立ち上がれなかった。

 


身体の異変に気づき始めていた。

 

 


直子が営業終了後に言った。


 

「あなた・・顔色が変だわ」