【第4話】たまには想い出話でも。

今から八年前の事。

 

 

 

気がつけば開店から

 

一ヶ月たっていた。

 

 

さすがにこのままでは

 

ヤバイと思っている頃

 

チャビママが

 

こんな事を言い出した。

 

 

 

「チラシをつくろうよ」

 

 

 

俺はあまり乗り気じゃなかった。

 

 

なぜならすでに二回ほど

 

チラシを作って

 

販促していたからだ。

 

 

 

一回目はお店の場所を

 

船橋駅前なのに

 

西船橋と書いて失敗。

 

 

 

二回目はチラシを


駅前と店頭で配ると言う


やりがちな失敗。

 

 

 

駅前で配ると


チラシがはけるが

 

船橋の駅前から

 

お店まで


引っ張ってくるのは

 

困難に近い。

 

 

 

そして三回目・・・

 

 

やりたくなかった。

 

 

 

というより販促に使う資金が

 

なかったと言っていい。

 

 

しかしチャビママの


意思は固かった。

 

 

記憶が定かではないが

 

自分でチラシを

 

作ってくれる所を

 

タウンワークで調べて

 

見積もりをもらって来た。

 

 

 

たしか・・・

 

デザイン込みで500枚

 

7・8万円ぐらいだった思う。

 

 

その価格が適正か

 

どうかは今となっては

 

わからない。

 

 

 

チャビママは

 

こう俺に言った。

 

 

 

「わたしには使ってない

 

貯金が7万円あるわ」

 

 

「それでやろう!」と

 

 

意思が固かった。

 

 

 

そしてチラシが出来上がった。

 

中々良いと思った。

 

 

 

チラシでは

 

2回失敗しているので

 

どう有功に使うか話しあった。

 

 



慎重に・・

 

なぜなら・・・

 

後がなかったからだ。

 

 

 

 

どうしたかって?

 

 

 

その500枚のチラシを

 

少しづつもって飛び込みで

 

会社を回ったのだ。

 

 

 

チャビママが一人で

 

 

俺じゃない。

 

 

 

初めての経験で

 

緊張していたようだった。

 

 

 

1日目


リクルートスーツみたいな

 

格好で会社を回った。

 

 

 

緊張しすぎて声も

 

出なかったらしい。

 

 

 

でも勇気を振り絞って

 

会社のドアを

 

叩いて回ったようだ。

 

 

2日目 まだ緊張していた。


3日目・・

 

4日目・・・となると

 

色々判ってきたらしい。

 

 

 

スカシて

 

リクルートスーツ


なんかじゃなく

 

普段着で


ありのままの自分で

 

手渡そうと


考えたようだった。

 

 

 

そこからは会社の

 

ドアを叩くのが


楽になったと

 

店に帰ってきて


言っていた。

 

 

 

なんだかんだで

 

3週間かけて

 

500枚配り終わった。

 

 


配り終わった時

 

チャビママは

 

自信に満ち溢れていた。

 

 

 

 

しばらくすると

 

そのチラシを


もってお客さんが

 

来るようになった。

 

 

 

初めはランチ


そして夜にも。

 




俺は

 

これで店が

 

生き延びた事を感じた。

 

 

 

今でもこの事が

 

俺達の店を救った

 

出来事だと思っている。