夏の思い出

明治生まれだった爺さんは

 

長崎県の対馬出身だった。

 

静かにご飯を食べる人だったのが印象に残っている。

 

親戚もみんな関東に出てきてしまって墓だけがある。

 

今は95歳になるバァちゃんがお寺と

 

喧嘩して縁を切ってしまった。

 

何かとトラブルを起こすのは血筋のようだ(笑)

 

話は今からさかのぼる事20年以上前・・

 

ある切っ掛けから対馬まで

 

一人旅がてらお寺に墓参りに行った。

 

新幹線のり博多湾から船で対馬まで。

 

あまりの波の強さに船酔いが激しかった。

 

船からは遠くに韓国の島が見えたのが印象的だった。

 

確か・・・厳原と言う名前の港についた。

 

 

寺の場所は地図を見てすぐにわかった。

 

山の絶壁みたいなところに

 

お寺があり階段を登ると

 

墓がたくさんあった。

 

墓の場所はすぐわかんだろ・・

 

なんて考えていたが

 

たくさんありすぎて呆然とした。

 

「どうすっかな・・??」

 

なんて途方にくれていた。

 

すると・・・

 

どこから現れたか一匹の猫が

 

俺の前を悠然と通り過ぎた。

 

心の中で・・

 

「野良猫かぁ・・」

 

なんて思っていた。

 

何の気なしにその猫を見ていたら

 

トコトコと斜面を登って行った。

 

そしてある墓の上に登ったのが見えた。

 

俺は・・

 

「墓って言っても猫には関係ねぇんだな・・。」

 

なんて思っていた。

 

しかしあまりにも

 

気持ちよさそうに寝ているのをみて

 

意地悪したくなった

 

俺は・・そおっと・・と近づいた。

 

 

近くまで来て

 

 

猫も気がついた様子だったが

 

アクビなんかしやがって脅かす気が失せた・・。

 

そして墓の前まできて愕然とした。

 

爺さんの先祖の墓だった。

 

俺はあまりにもビックリして

 

動けなかった。

 

しばらくして

 

その猫は・・けのびをしたかと思うと

 

山の中に消えていった。

 

なんとも不思議な出来事だった。

 

火鍋の仕込をしてたら思い出したんで

 

なんとなく書いてみた(笑)