【第61話】たまには思い出ばなしでも(父・母編)

俺は母子家庭なんだが

 

だからと言って


悲惨だったわけではなく

 

曾おばあさん、お祖母さん、お祖父さん、

 

母ちゃん、叔母さん、弟と大家族だった。

 


サザエさんで言えば


マスオさんが出て行った感じだ。

 


そんなオヤジと母ちゃんの

 

夏の思い出といえばこんな感じだ。

 



俺がまだ・・・小学校だか入る前だか

 

記憶が定かではないが

 

オヤジは浮気をしていたらしい。

 


かなりトッポ イオヤジだったのだ。

 



まぁ浮気相手の女性と


食事にでかけたり


していたらしいのだが・・・

 


その当時何歳だか忘れたが

 

俺より三歳下の弟を連れて


行ったことがあったそうだ。

 



子供だし・・わかんねぇだろうな・・

 

なんて軽い気持ちだったようだ。

 



弟もお姉ちゃんと遊んで

 

もらって上機嫌でいたようだ。

 


その弟が家に帰ってきて


ポケットからアメを出した。

 



お姉ちゃんから貰ったアメを


後で食べようと大事に


とっておいたらしい。

 



それを見た俺の母ちゃんは

 

「それどうしたの?」


と聞いた。

 



弟は

 

「お姉さんにもらった。」

 

と応えたそうだ。

 



その瞬間に母ちゃんは

 

親父が浮気してると確信したらしい。

 



次の日・・・

 

弟にこう言ったそうだ。

 


「昨日のアメどこでもらったかわかる?」

 


幼稚園前の子供だったが・・・


道を覚えていたようだ。

 


母ちゃんは

 

弟に千葉の小仲台まで


道案内をさせたようだ。

 

 


そして家の前まで来た。

 



アパートだったらしい。

 



ピンポンならしたのか

 

鍵が開いていたのか判らないのだが・・

 

 



ここからは俺の元親父の証言だ。

 

準子が

(俺の母ちゃんは準子という名前だ)

 


扉のところで仁王立ちしていた。

 



右手は弟の手を握り

 

中にいた親父と女性を見るなり

 

押し殺した声で

 


「あんた・家庭と・・


その女・・どっちが大事なん?」

 

と言い残し

 



扉をバタン・・と



締めて家に帰ったそうだ。

 

 

これは・・やばい・・と思った

 



親父は家に帰って


平謝りだったそうだ。

 




それから10年後・・

 

浮気を繰り返した


親父は家を追い出された・・。

 



そんな母ちゃんと元親父も70歳。

 


ガキの頃は絵に描いたような

 

馬鹿だった俺は


母ちゃんとの会話も無かったが

 

最近は少し反省している。

 


妻の直子が母ちゃんと


俺の間をとりなしてくれるので

 

とても助かっている(笑)