【第59話】たまには思い出話でも

【第58話】たまには思い出ばなしでも

 

船橋来て六年たつが

 

初めの三年間は正月は休んでいた。

 

従業員を休ませるというのが目的だったのだが

 

俺自身も正月ぐらいは

 

休みたいというのが本音だった。

 

そして俺とチャビママは

 

正月になると船橋大神宮にお参りに行っていた。

 

二人とも無宗教だが神社にお参りに

 

行くのは普通の事だった。

 

お参りに行っておみくじを引きそれを

 

読んで

 

「来年はもう少し経営が楽になるかなぁ・・」

 

なんて考えていた。

 

船橋神宮からその当時住んでいた

 

市場町のマンションまで歩いて行く途中で

 

本屋に立ち寄るのが毎年の習慣だった。

 

本屋で毎年、DRコパの風水の本を買っていた。

 

それを買って

 

「元旦から・・どうすればいいかなぁ・・」

 

なんて思ってた。

 

本気で金運財布を買おうと思っていた。

 

ある意味他力本願な感じだ。

 

あるとき店を掃除していた。

 

そこで気づいた。

 

入り口の自動ドアの所に

 

風鈴みたいなものが付いているのを

 

音もならない。

 

よく飲食店でお客さんが

 

来たらなるように鈴をつける場合があるが

 

音もならないのでそうでもなさそうだった。

 

金色の鈴だ。

 

まぁ・・いいかっ・・

 

てな感じで

 

そのままにしておいた。

 

三年目の正月

 

またDRコパの本を読んでいるうちに・・・

 

最後のページのほうでビックリした・・。

 

お店で見た入り口についている

 

鈴が・・・DRコパの雑誌の中で売っていた。

金運を呼ぶ鈴・・とか書いてあった。

 

店を譲り受けた、前の店主も色々悩んで

 

DRコパの本に行き着いたのは

想像できた。

 

俺も同じ道を歩んでいた。

 

その瞬間・・俺は・・これではいけないと

 

思いDRコパの雑誌を

 

次の年から買うのをやめた。

何か超自然的な力で店が

 

よくなるわけがないと思ったのだ。

 

だからと言って店が直ぐに

 

よくなるわけではないが

 

俺とチャビママは休みの日に

 

二人だけで火鍋営業を始めてみた。

 

劉さんともあまりいい関係じゃなかったので

 

いつか二人で店を建て直す日が

 

必ず来ることを感じていたからだ。

 

ちょっとしたキッカケだったが・・

 

自分の店を建て直すのは

 

自分達で本気にならなければ

 

駄目だと二人で話した。

 

店の場所が・・とか・・

 

環境がわるいとか・・そういうことを

 

考えるのをやめた。

 

通りから見えないないんだからと看板も撤去した。

 

メニューも外に出すのを辞めた。

 

完全に開き直った(笑)

 

そうなると不思議なもので

 

お客さんたちは情報が少ないと

 

本気になってグーグルとかで

 

調べてくるようで予約が増えた。

 

今じゃ・・フリーで来るお客さんは

 

一日に一組あればいいほうだ。

 

人生なにが・・どう転ぶか判らないと感じる(笑)