【第46話】たまには思い出話でも

劉さんの故郷四川省成都での滞在も終わりに近づいた。

 

友人たちが火鍋をご馳走してくれると言う。

 

そのとき俺はかなり四川料理の洗礼にやられて

 

胃腸の調子も下降気味だった。

 

火鍋?と言われていま一つピンと来てもいなかった。

 

以前に劉さんが楽願亭の忘年会で

 

作ってくれたのを食べたことがあったが

 

辛い鍋だなぁ・・ぐらいの感想だった。

 

なにはともあれ俺と劉さんは、友人たちが待つ火鍋屋に向かった。

 

夜の18時ごろ待ち合わせだっただろうか。

 

記憶が定かではない。

 

二階建てバスに乗り込み友人に

 

「4番か15番のバスに乗ってくるように!」

 

と言われながらも20番のバスに乗り込む劉さん。

 

俺は内心違うんじゃねぇのと思ったが・・・。

 

案の定・・行き先と反対方向をバスは渋滞の中を走っていた。

 

成都の渋滞・・ありえないぐらいの渋滞だった。

 

しかも二階建てのバスは人の乗りすぎか・・・

 

変な音を立てて左側に少し傾いていた。

 

予定の時間に遅れる事、二時間ぐらいだろうか、とにかく到着した。

 

劉さん友人達は、かなり待ったのに

 

俺たちが無事に着いたのでかなり喜んでいた。

 

席に着くなりビールで乾杯だ。

 

男達はタバコをおもむろに吸って

 

会話が始まった。

 

目の前の本場成都の火鍋を見た。

 

日本で言う所の焼肉屋のように

 

テーブルに丸い鍋が組み込まれていた。

 

真ん中に小さい丸があり清湯(透明なスープ)

 

その回りに赤い麻辣湯が地獄の釜のように煮えていた。

 

箸で赤いほうをなめてみた。

 

チョッとだけだが・・

 

辛い・・いや・痺れる・そして間違いなく辛い・・激辛じゃねぇか!

 

と素直に思った(笑)

 

具材が運ばれてきた。

 

川鰻?豚の脳みそ?くらげ?

 

鴨の血?だったか?

 

日本では食べることができない

 

食材がガンガンきた。

 

俺はそれにドン引きしながらも食べた。

 

赤いほうで・・チョッとだけ。

 

あとはほとんど白いほうで食べたと思う。

 

劉さんの友人達は酒を飲みがら、

 

会話を楽しみ麻辣湯に具材ぶち込み

 

美味しそうに食べていた。

 

女性はジャスミン茶を飲みながら

 

これまた麻辣湯の具材を美味しそうに食べていた。

 

暫らくすると・・

 

お店の人が揚げたての甘いお菓子を持ってきた。

 

女性たちはそれを美味しそうに食べていた。

 

火鍋の間に食べると美味しい!と言っていた。

 

内心・・俺は

 

『なんで辛いもん食べているときに甘いお菓子なんだ・・?』

 

と思ったが食べてみたらコレが美味かった。

 

色々気を使われたが俺はほとんど

 

火鍋を食べることができなかった。

 

辛くて・・。

 

四川料理の食べすぎで・・

 

腹の調子は悪く胃薬を飲みまくりで

 

次の日は

 

「日本に帰ったら・・ざる蕎麦がたべたいなぁ・・。」

 

とか弱気になっていた。