【第35話】たまには思い出話でも

ほとんど結婚式の新郎のような服装で

 

エアーカナダに乗り込んだ。

 

動揺を悟られないように自分の席を探し・・・

 

座席の前にあった雑誌に目を通して

 

飛行機が離陸するのを待った。

 

しばらくすると・・飛行機が飛んだ。

 

内心は

 

「まじかよ・・ほんとに・・飛んでやがる・・。」

 

と本気で思っていた。

 

途中で機内食のサービスになった。

 

スチュワーデスが日本人のお客さんは日本語で

 

「二種類の弁当のどちらがいいですか?」

 

みたいな感じで聞いていた。

 

なぜか・・俺は英語で聞かれた・・・。

 

その時はあまり気にしなかったのだが

 

この事がバンクーバーのセブンイレブンでトラブルを生んだ。

 

何はともあれバンクーバー空港についた。

 

入国審査の順番を待っていた。

 

俺の番が来た。

 

係官が何か言った。

 

「・・・・・・・!」

 

俺は思った。

 

「なに言ってるか・・まったく・・聞きとれねぇ・・。」

 

本場の英語の洗礼を受けた瞬間だった。

 

何とか入国審査をパスして

 

学校の関係者がまつ駐車場の前に着き

 

ホームステーさきの家まで送ってもらった。

 

そのとき初めて時差ボケというものを知った。

 

ホームスティ先で挨拶をして

 

部屋に案内された。

 

快適なかんじだった。

 

その家は俺以外にブラジル人のルームメイトがいた。

 

この男が陽気でいい加減でイイやつだった。

 

ビジネスクラスに通うエリックは

 

俺よりも英語力もあり色々聞いた。

 

次の日、バスとモノレールに乗って語学学校にいった。

 

そこにはブラジル人、スイス人、韓国人、中国人、イタリア人、

 

ドイツ人、日本人

 

などいろんな国から人が来ていた。

 

スイス人にいたっては何でここに来てるんだろうか?

 

と思うぐらいイギリス人と外見が似ていた。

 

その当時俺はヨーロッパ人は全部英語を話すと思っていた。

 

少し手持ち無沙汰だった

 

俺は授業が始まるまで時間があったので

 

セブンイレブンにエリックとコーヒーを買いに行った。

 

コーヒーを自分でカップに

 

入れてレジで会計するシステムだった。

 

お金の計算がわからなかったのでカードで払おうとした。

 

愛想のわるい店員に金額を言われた。

 

速くて聞き取れなかったが・・

 

まぁ・・いいや・・といった感じで

 

カードを出した。

 

すると・・・店員の顔が険しくなった。

 

俺は??

 

といった感じだった。

 

早口で「・・・・・・!」「・・・・・!」

 

と女性でインド系のカナダ人店員が聞いてきた。

 

なに言ってるか聴き取れなかった

 

俺は

 

「ソーリー??」と聞き返した。

 

また「・・・・・!」「・・・・・・!」

 

と言われた。 ぜんぜん判らん。

 

そこでトラブルに気づいた

 

ブラジル人のエリックが駆け寄り

 

ゆっくりと英語で教えてくれた。

 

エリックによると

 

「このカードはどこで拾ったんだ?」

 

「お前は中国人じゃないだろ?」

 

と言う事だった。

 

それで判った。

 

カードの裏に自署があるが【宮間利男】と漢字で書いてあったのだ。

 

それを見て店員はあやしい・・と思ったらしい。

 

俺の顔を見て・・・(笑)

 

頭が真っ白になった俺は

 

エリックの英語力を借りてその場を凌いだ。

 

そのとき少しづつ気づき始めた。

 

俺は・・日本人に・・・見えないらしい・・・(笑)

 

そんな感じでバンクーバーでの初日が始まった。