【第30話】たまには思い出話でも

南砂町東口出口徒歩10秒に建てられる

 

新築テナント物件に申し込んだ。

 

一階に白木屋グループが申し込んでいた。

 

残りの2つは一つは薬局

 

もう二つは空いていた。

 

俺はその1階を申し込んだ。

 

不動産屋から返事が来た。

 

「一階は南砂の有名なラーメン店が入るので空いてません。」

 

俺は・・「えぇぇ!!」と思った。

 

そして直ぐにわかった。

 

それが断る嘘だと・・・。

 

10年以上前は南砂町には有名なラーメン店はなかった。

 

まして34坪の店に入る個人のラーメン屋なんかあまりない。

 

あまり大きくない箱で店の前に行列させる

 

ラーメン屋が成功するパターンだった。

 

養老の瀧のフランチャイズは会社で不動産と契約ではなく

 

個人で契約する事になる。

 

実際、不動産やさんとすれば・・

 

いつ飛ぶかわからない個人より

 

大きい直営のチェーンと契約したかったんだろう。

 

しかしあきらめきれない俺は、2階に目を付けた。

 

正直2階はいま一つな・・・感じだったがどうしても

 

この場所しかない。と思っていたので

 

「2階でもいいからお願いします。」

 

と言った。

 

申し込んでから返事待ちの日が続いた・・・

 

ジリ・・ジリ・・した。

 

その当時、一週間に一度焼き鳥屋は

 

休みを取っていたので

 

門前仲町から葛西までを歩きで行ったり来たりした。

 

片っ端から歩いて店舗を探してみた。

 

今思えば、執念と言った感じだった。

 

しかし南砂町東口で感じた。

 

ここだ!と思いながら全身に鳥肌が立つ事はなかった。

 

そしてある日、養老の営業マン伊藤さんから電話があった

 

「ほんとに2階でいいですか?」

 

俺は答えた。

 

「大丈夫です」

 

それから4日後不動産やから電話があった。

 

「1階で出店できますけがいかがですか?」

 

その瞬間俺は・・・チャンスを掴んだことを感じた。

 

返事はもちろん。

 

「もちろんよろしくお願いします」と答えた。

 

弟と共同経営だったが

 

楽願亭 南砂駅前店 が誕生する事になった。

 

完成した物件には最終的に

 

一階に薬局、温野菜、白木屋、そして俺の店。

 

2階は不動産、薬局、美容室となった。

 

しかし共同経営という事が

 

のちのち苦しませる事になるとは

 

その時は浮かれて全くわかってない

 

俺は・・職人たちに熱くカウンター越しで

 

新しい店のことを語っていた。

 

ヌキワさんが

 

「マスター俺たち開店したら行くよ!!」

 

と熱く語っていたが・・

 

俺は内心ヌッキーは厄介だから来なくていいよ・・・。

 

と思っていた(笑)