【第28話】たまには思い出話でも

下町の職人や地元の

 

住民が入れ替わり立ち代り

 

来るようになった。

 

 

その中には

 

今でも三国RYU(劉さんのお店)で

 

働く長田幸子、力の兄弟もいた。

 

 

 

あの兄弟は寂れた

 

パチンコや赤玉って店だったか?

パチンコで勝つと俺の店に来た。

 

 

あとで判ったんだが

 

弟は未成年だったはずだ。

 

ふてぶてしい弟だったな(笑)

 

 

 

なんだかんだで楽しい?

 

焼き鳥屋のオヤジをしていた。

 

 

しかし・・

 

ある事が俺と店を

 

少しづつ歪めていた。

 

 

ひとつはお客さんがくれるお酒だ。

 

そしてもうひとつは飲み代のツケだ。

 

 

「マスター一杯飲みなよ!」

 

焼き鳥屋ならよくある光景だ。

 

 

 

お客さんも

 

気を使ってくれてる事だから

 

無下には断れない。

 

 

 

軽く一杯ぐらいならいいだろな。。。

 

 

なんて言っているうちに

 

カウンターのお客さんが

 

変わるたびに

 

飲んでしまっていた。

 

 

 

たいしたことが

 

無いと思うだろうが

 

少しづつ店が

 

だらしなく

 

成って行っているのが判った。

 

 

 

おれ自身もその後・・

 

店が終わって

 

深酒するようになっていた。

 

 

 

ある日の事、

 

営業が終わり

 

お客さんと店で飲んでいた。

 

 

しこたま飲んで

 

チャリンコで帰っている時

 

フッと考えがよぎった。

 

 

 

「俺の平衡感覚は

 

どれくらいなんだろう・・?」

 

 

だいぶ酔っていたんだろう。

 

 

試してみた。

 

 

 

自転車を走らせながら

 

目をつぶり、手放し運転を

 

深夜の夜道でした。

 

 

 

三秒もしないうちだろうか・・・。

 

ガシャン!!

 

という音とともに

 

顔から落ちた。

 

 

歯が欠けて

 

顔から血を流していた。

 

 

 

酔っていたので痛みは

 

感じなかったが

 

次の日は腫れていた。

 

 

 

少しづつ・・少しづつ・・

 

歯車が狂ってきているのを感じた。

 

 

 

そしてある日の深夜・・・

 

 

俺は城東警察の取調室にいた。