【その17話】たまには思い出話でも「

リニューアルしてから1年位たった頃に

 

気になることがあった。

 

俺たちは、まだ市場町に住んでいた。

 

帰り道、本町通りを抜けて帰っていたのだが

 

明かりがついている店がある。

 

お客さんがいる。賑やかだ。 

 

何の店になったんだろう??

 

と思った。

 

その店に俺は多少の縁があった。

 

震災から更にさかのぼる事・・・2年前

 

四川料理の店をもう一件出して失敗していた。

 

その当時の店長を独立させて店を出すのに

 

店舗を探し回っていたとき

 

10坪弱・・・たぶん8坪ぐらいだろうか・・・

 

その空き店舗に目を付けたのだ。

 

そのまえは・・たしか接骨院だったと思う。

 

貸し店舗の張り紙はしていなかったが

 

俺とその当時の店長とそこの大家さんに交渉に行った。

 

大家さんは話は聞いてくれたが中華はダメという事だった。

 

中華は断られやすい。。油が店を傷めるのが原因だ。

 

そんな、こんなで印象があった店が居酒屋になっていた。

 

毎日前を通る・・・電気が付いている。 店は満席だ。

 

笑い声が聞こえる。 入りたい。。。

 

でも入れなかった。

 

店の名前は楽膳といった。

 

俺とチャビママは船橋に来て6年過ぎていたが 

 

個人のお店に入った事が一度もなかった。

 

チェーン店しか行ったことがなかったのだ。

 

しばらくすると楽膳という店に

 

赤沼さんが行きつけだと言う話になった。

 

俺は・・なおさら気になった。

 

昼間仕込をしている時間に中が見えたので遠くから覗いた。

 

店主がいた。

 

髪の毛を短く刈り込み、頑固そうな面構え。

 

そして上下黒のジャージを来ていた。

 

和食の職人にいるタイプだった。

 

内心俺は。。。チンピラみたいじゃねぇか。。。

 

やばいなぁ。。なおさら入れねぇな。。。

 

 

それが。。楽膳店主 荻野剛さんの最初の印象だ。

 

ある時、荻野さんが火鍋を食べたいと予約を入れてくれた。

 

そこで仲良くなり

 

いよいよ楽膳さんに始めて行く日になった。

 

緊張していた。

 

俺も。。チャビママも。

 

船橋ではじめての個人店だ。

 

扉を開けた。

 

いらっしゃいませ!!

 

と言われた。 その店にいたお客さん全員に。

 

嬉しかった。 なんだか。。妙に嬉れしかった。

 

席は満席近かったが、常連さんたちが席を作ってくれた。

 

みんなの心遣いに俺とチャビママは打たれた。。

 

初めて入った個人店が楽膳さんでよかった。

 

船橋をもっともっと好きになった。

 

今では荻野さんとは冗談を言う仲になった。

 

第一印象は悪かった。。。荻野さんだが。。。

 

とても気さくな人だと判った。

 

人は見かけによらない。